PS4/PS5

【バイオ ヴィレッジ】様々な恐怖と家族愛の物語【レビュー】

2021年10月3日

今回は『バイオハザード ヴィレッジ』の感想を語っていく。

『気になったところ』『良かったところ』は客観的な評価について。

本音は最後の『感想』にまとめているので最後まで見てくれると嬉しい。

あらすじ

前作のバイオハザード7でベイカー邸から生還した主人公イーサン・ウィンターズは、妻のミア、娘のローズと平和に暮らしていた。しかし、クリス率いるハウンドウルフ隊の襲撃を受け、ローズとともに拉致される。しかし、護送中に事故に遭ってしまい、1人になったクリスは人気のない村に迷い込んだ。

気になったところ

日本国内版はZ Versionでも敵の欠損表現は無い

ヘッドショットで頭部を破壊するような爽快感はない。最初のうちは敵が死んだのか分からずに、びくびく動く敵の前に突っ立って2秒ほど死亡確認する人が多いと思う。私もその1人だ。

とはいっても流血表現はあるし、イーサンは前作同様(以上)に欠損するので苦手な人はCERO:D版を購入した方がいいと思う。

探索が苦手な人はつらい

バイオ8はアイテムを全て取ったエリアは『探索済み』としてマップが水色になり、まだアイテムが残っているエリアは赤く表示される仕様になっている。小さな換金アイテムも例外ではなく、天井にある小さな結晶のかけら(2000円)にかなりの時間を費やす人もいるだろう。

重要度の低く、見つけにくいアイテムが残っていても赤く表示されてしまうのでキーアイテムを逃してはいないかと後ろ髪を引かれながら進むことになる。

また、マップが複雑で、まさに迷路。キリがいいところまでは一気に攻略することをお勧めする。

バイオ7よりは怖くない

バイオ7は常に何者かに襲われる恐怖を感じながら探索するという状況が多く、永遠にも感じる緊張感と孤独があった。じめじめとした怖さが好きな人にはバイオ8は物足りなさを感じるはずだ。

良かったところ

ストーリーが最高

バイオ7に引き続きイーサン・ウィンターズの物語なのだが、最初にバイオ7のダイジェストムービーを見ることができるのでバイオ7をやっていない人でも楽しめる。

幸せなウィンターズ夫婦のシーンから始まり、ストーリーも序盤からの急展開で一気に引き込まれる。今までで最もストーリーが動いたといってもいい作品で、早くもバイオ9に期待してしまう出来となっている。また、ムービーだけでなく至る所にある資料やメモを見ていくことで敵キャラの背景やバイオシリーズ間の意外なつながりを知ることができる。

飽きない質の違う恐怖

バイオハザードのすべての要素が入っているといっても過言ではない。

序盤の村やドミトレスク城のひやひやするホラー要素、中盤のベネヴィエント邸や湖の即死を潜り抜けながらの謎解き要素、終盤の工場での兵器に乗り込んでの大迫力の戦闘やクリス操作パートからのラスボス戦と、怒涛の展開で飽きない作りになっている。

自由度の高いサバイバルで、ホラーが苦手な人でも攻略しやすい

今作では敵を倒すことで換金アイテムを入手することができるので、敵を倒せば倒すほど回復の購入や武器のカスタマイズが可能になっている。また、食材を集めて『食事』を行うことで体力上限アップなどの永続効果が得られ、イーサン自身が強くなる。怖い人は少し寄り道をすると安心感をもってストーリーを進むことができる。

一方で、慣れている人はカスタマイズなどは抑えめにしてスピード感や緊張感のある攻略も可能だろう。

感想(ネタバレあり)

バイオハザード ヴィレッジはやって良かったといえる作品だった。

バイオ7でもベイカー家を舞台に『家族』が大きなテーマとなっていて、今作のバイオ8でもウィンターズ一家やミランダの娘を中心に『家族』をテーマとしたストーリーが深く描かれている。
バイオ7で登場した人物や単語がストーリー中に多く出てきているため、100%楽しむためにはバイオ7をやってからの方がいいだろう。

ボリュームは探索もほどほどにして10時間程度。しっかり探索したら+5時間くらいにはなると思う。しかし、自分はバイオが何たるかを分かっている、という有識者にとっては物足りないボリュームではないかと思う。ホラーとアクションの要素が混ざっているせいで中途半端な出来だ、というレビューも多いが私としては絶妙なバランスが取れていて満足だった。

各ステージの思い出を振り返る。ドミトレスク城は緊張感のある恐怖と夫人と三姉妹に責められ「まぁ、これで死ぬならいいか」という諦めが入り混じる舞台だった。ベネヴィエント邸で初見殺し赤ちゃんとの死闘、湖ではゲロを吐く大きな赤ちゃんと戦い、最後はいい声のおじさんとバトル。仲間に誘われた時のミランダを倒すプランが割とふわっとしているが、いい声だからあまり気になりはしなかった。クリス編からのミランダ戦は伏線回収の嵐。クリスにローズを託した後、ムービーの三人称視点からふらついて菌根へ向かうイーサン視点になる瞬間が一番悲しかった。最後に向かうにつれての二転三転、映画の1シーンとして楽しめたと思う。

ストーリーを通してみると、みんなイーサンに冷たすぎる気がする。意味深な雰囲気しか醸し出さないクリス、似たようなことを2回言う婆さん、主人公そっちのけで会話を進める敵幹部、おまけにずっと何かを隠してるミアに作中ほとんど出てこないローズ。安心できる場所といえばなぜか内情を知り尽くしている商人といる時くらいだろう。

次は難易度について。私は難易度『Casual』をプレイしたが、さすが一番簡単なモード。イーサンが強すぎる。えげつなく硬い。敵に襲われ、出血もひどい、「これは死んだな」とコントローラーを置いたが、顔を上げるとまだイーサンは戦っていた。イーサンに申し訳ない。おかげで謎解きを存分に楽しめた。こういう楽しみ方もありだなと思う。

イーサンはZ Versionでは村に着いて早々にライカンに指を2本食いちぎられる。腕を切断されても気合と回復液で何とかしてきたイーサンに唯一治らない傷をつけたライカンがバイオ8のMVPではないだろうか。

舞台が冬ではなく湿気の多い夏だったら…あるいは指があったら…イーサンは死なずに済んだのでは…そう悔やまずにはいられない。

以上、お読みいただきありがとうございました。

襲われるイーサン Copyright:2021CAPCON

作品情報

製品バイオハザード ヴィレッジ
開発・販売カプコン
対応機種PS4/5、XboxSeriesX/S、Xbox One、Steam(PC)
発売日2021/5/8
CEROD(17才以上対象)、Z(18才以上のみ対象)
クリア時間10時間前後

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